船に乗って来たお稲荷様(前編)

お稲荷さんが海から船に上がってきた!

そんな馬鹿な!とお思いでしょうか?でもこれは80年も前に実際にあった話です。

こんにちは、白龍の部屋の伊勢有珠・白龍です。

知り合いの女性の所有している、父親からもらったという陶器のお稲荷さん。

白狐の上に女の神様が乗っています。

年に一度、6月11日がお稲荷様の縁日で、もうかれこれ30年縁日の祭祀を執り行わさせていただいております。

縁日に行かせていただき、祭祀が終わるといつもお厨子(ずし)を開けお姿を拝見させていただいています。いつもすばらしくきれいなお姿で毎回感動してしまいます。

お稲荷様はお父様が北海道から船に荷物を積んで富山へ運んでいた道中の事、ふと気付くと布団の上に白狐に乗った女の神様の像があったといいます。

船に乗っている乗組員のものかと思い尋ねましたが誰のものでもなかったそうです。

荷物に紛れて入り込んだのかと、始めは海に投げ捨てました。

しかし、また次の日、布団の上にお稲荷様があったというのです。

何だか気味が悪くなって、また海に捨てたのだそうです。これで2度目。

しかし、やはりまた布団の上にお稲荷様はありました。

良く見ると奇麗なお顔と奇麗な着物。お父様は「・・・不思議な事もあるものだ。これの何かの縁、娘が遊ぶのにちょうどいいか・・・」と持ち帰る事にしたのだそうです。

お厨子と台座は娘さんが大きくなってから宮大工に頼み、布団屋さんで小さい座布団を作ってもらったそうです。

そうやってお稲荷様はその娘さんの元で大切にされ、娘さんは信心深い人でしたのでお経も朝晩あげていたそうです。

私と出会った30年程前、その娘さん(と言っても、もうかなりの年齢になっていました)が突然訪ねて来ました。アポなしだったので、ちょっとびっくりしましたが、聞けば知り合いに聞いて来たと言います。

まずは、いままで頼っていた占い師が他界し他を探していましたが、なかなか眼鏡に叶う占い師がいなかったと話され、知り合いからの紹介で訪ねて来たと言います。

よく話を聞きますと、家には大層立派な仏壇と、その横には神棚があり毎日欠かさずお経をあげ祝詞を奏上していますと言うのです。

仏壇には毎朝お茶とご飯、神棚には1日15日には三方にお洗米や盛り塩、水、お酒をあげ、榊を交換するそうです。お稲荷様には縁日にお供えと季節の果物や油揚げをお供えし、稲荷祝詞とその他の祝詞を奏上するという事でした。

「では、どうして私の所に来たのですか?今まで通りのやり方でよさそうですよ。」とアドバイスしましたが、納得いかない様子で、

「夢でお稲荷様から、お経も祝詞も足りない、力がない、もっと力のある者に拝んでもらうように、とのお告げがあったのでいろんな人を訪ねて探しているのです。」と言われました。

「と、いう事は、私がお宅に伺って拝んで、神様に試されるのですね。」と言いますと、

「はい、申し訳ないのですが、そうなります。私だけでは力不足なのだそうです。」と。

「あなたはそれを夢で見たといいましたね、お告げは良く夢で見たり聞いたりするのですか?」とお聞きしますと、

「そうです。拝んでいる時はさっぱりわからないのですが、いろいろな事は夢で見ます。今までそのお告げ通りにしてきました。」とおっしゃいます。

「なるほど。では一度伺わせていただきますね。」

後日私は彼女の家に行き、拝むことに。

!!個人のお宅なのに、宗教法人か?と言うくらい立派な仏壇と神棚!!

ちょっと私は圧倒されました。

よく見ると、確かに魂の入っている仏壇、神棚で、私を鋭い眼光で見ています。

仏壇は先祖が祭られているのですが、そこにはハッキリ「霊道」が視えました。

先祖が行き来をする道、霊道。

でも霊道があるという事はある意味、成仏出来ていない霊がいるとも考えられ、私はそれを彼女に言おうか迷いました。結局、私は言いませんでした。また、先祖も開示する事を望みませんでしたので。

次に神棚。

こちらは幅一軒半で3段、一番上段にアマテラス様、その他にもいろいろな神様が祭ってありました。鬼子母神様もおられて、珍しいなと思いました。

鬼子母神は主には日蓮宗に縁が深いからですし、神道と仏像は一般的には合致しませんが、神棚で祭る人もいると聞いています。

一番気を惹かれたのはやはりお稲荷様でした。

眼光が鋭かったのはこちらのお稲荷様だったのです。

おもむろに祝詞、稲荷祝詞、その他必要と思われる祝詞を奏上し、気に入っていただけたかどうかは彼女が夢に見るまで待つことになりました。

早速次の日、彼女から電話があり、とてもお稲荷様が喜んでおられこれからは縁日を頼みたいとのお話しをいただきました。

そして現在も毎年の縁日には欠かさず祭祀を執り行っております。

縁は不思議なもので、何の接点もなかった人と繋がって、しかも30年という長きに渡って続いて来ているなんて本当に不思議です。

しかし、今回のお話しはまた更に次の繋がりへと発展していくことになるのです。

伊勢有珠・白龍

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コメント

    • 亜麻
    • 2020年 5月 24日 9:16pm

    こんばんゎ。亜麻です。
    今回は、まるで日本昔話のような出来事ですね????
    海に投げ入れたお稲荷さんがまた船に戻ってる!? 物理的に説明が、、、
    どのように戻ってきたのか想像できません(*_*;

    そして結果的には今日まで大切にされてきた。

    非現実的でありながら、神仏の世界の不思議に引き込まれます。

    • 確かに昔話のようなお話ですよね。
      神仏とご縁のある方々は、そういう不思議な事を経験している人も多いようで、ある日急に神社に行きたくなったらそこの神社の神様とご縁があったとか、とんでもなく興味を惹かれた仏像に出会ったとか、お話しを聞く限りでは奇跡としか思えないようなことも多いものです。

      神仏にまつわる奇跡的な出会いや出来事は、その人の人生をどのように変えていくのか興味があるところです。

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