地震でもないのに物が飛び交う・・・でもSFではありませんよ。
こんにちは、白龍の部屋の伊勢有珠・白龍です。
ここでは超常現象を目の当たりにしたり不可解な事が起こったりした時どのように対処したらいいか、また、あなたが能力をお持ちならそれをどのようにしたら上手に使えるかを書き進めております。
今回は昼と言わず夜と言わず、目の前にあるものが飛ぶ、というのです。
女性が訪ねて来ました。
「家の中で不思議な事が起こります。ちょっと信じられないかもしれないのですが、物が飛んだり置いてあったものの位置が変わるんです。」
と話し始めました。
「私はあまり片付けが得意ではなく、家の中は少し散らかっているような状態ですが、少し前からちょっと気になる事があり気を付けていたら、絶対にその場所に置いたはずなのにその場所には無くて他の場所にあったり、時折地震でもないのに物が落ちたり目の前で物の位置がずれたり、ひどいときには目の前で物が飛ぶことさえあります。単なる置忘れではなくて絶対おかしいんです。家族からは少しボケてるんじゃないかとさえ言われてしまう始末です。これはどういう事でしょうか?何か悪い霊でもいるのでしょうか?」とおっしゃいます。
早速祝詞を唱え鑑定しました。
「今の現象が起こり始めたのに気付いたのはどのくらい前からですか?」とお聞きしますと、
「前の家に住んでいた時はこんな事はありませんでしたので、多分今の家に引っ越してから起こり始めたのだと思います。何となく物が別の場所に移動している感じがし始めたのは2年程前からです。今の家には5年くらい前に引っ越してきました。」とおっしゃいます。
「ご家族はその現象に気付いていないのですね。」
「はい、すべて私の妄想やボケのせいだと言っています。」
「そうですか・・・あなたを霊視すると水子がいます。今のところそれ以外の霊はいないようですが、あなたは流れてしまったお子さんがいますか?それとも死産とか・・・」と言いますと、彼女は
「はい、一番最初の子供を生後10日くらいで亡くしています。女の子でしたがその頃はまだ戸籍がキチンとしていなかったため死産と同じ扱いで名前も付けず出生届さえ出さずじまいでした。昔ですから・・・」と言います。
「その子がお母さんと遊んでいるんです。お母さんが振り向いてくれないから物を動かしたりして気付いて欲しいと思っているんですよ。いたずらしたら怒って欲しいし、いいことをしたら微笑んで欲しいと思っているようですね。」
「でも、前の家では何の現象もなかったんですけど・・・」とおっしゃいますので、
「前の家でもその子はいたはずですが、お母さんは知らないうちにそのお子さんに語り掛けている何かをお持ちだったと思いますよ。思い出してみてください。」と言いますと、
「・・・そう言われても・・・」としばらく考え込みました。
「・・・!!思い出しました。ひな人形!!ひな人形です!!お人形!」と彼女は大きな声で叫ぶように言いました。
「そうですね、たぶんそのお人形を子供さんのように思って身近に置いていたんではないですか?」
「そうでした、そうでした・・・ああ・・・あのお人形、こっちへ引っ越すときに息子たちに汚いから捨てろと言われて捨てられてしまったんだった・・・どうしましょう、どうしたらいいでしょう・・・」
「もう一度、水子さんとの関係性を持てる物を用意する方法もあります。でも一番いいのは亡くなったお子さんを早く成仏させてあげる事だとは思いませんか?本来ならこのままお母さんの所にいてもいずれお母さんも亡くなる時期が来ますよね。そうなったとき、お人形をその子の代わりとして置いたらそのお人形はその後もずっとこの世に居続ける事になりますしお人形の面倒を見てくれる人もいないかもしれません。そうならないように水子さんは出来たら成仏させてあげるといいでしょう。その方がお母さんの気持ちもスッキリするんじゃないでしょうか?」と私。
彼女は「そうですね、初めての子供を亡くしたショックで子供の代わりにとお人形をずっと持っていましたが、成仏すればあの子だって生まれかわって新しい人生を歩む事だって出来るんですよね。」とちゃんと理解してくださいました。
水子の霊を紙塔婆に記し、時折お菓子やおもちゃをお供えしてもらいながら半年くらい供養をしたら水子さんは成仏してくれました。
物が移動したりするいわゆる「ポルターガイスト現象」も、わかってしまえばかわいそうな水子さんでした。その後、彼女の周りでは物が移動したり飛んだりの現象は無くなり、平穏な日々のようです。
長年気づいてもらえなかった水子の霊が、やっとお母さんにその存在をわかってもらえたんですね。生まれて間もなく亡くなってしまい、名前はおろか出生届すら出してもらえなかった時代背景を考えると、本当に水子さん辛かったでしょうね。手厚く供養され、成仏できて本当に良かったです。
そうですね、時代背景も霊視には欠かせない要件です。
現代であっても考えられない事も起こっていますし、最近のコロナウイルスひとつ取ってみても臨終にも立ち会えなかったとか骨になってからの対面だったとか・・・ひどい話です。
私の知り合いも戦後の混乱期に子供を亡くしたのですが、やはり出生届も出さず、名前さえ付けなかったと言う話を聞いた事があります。歴史に埋もれてしまった事実が悲しすぎますね。